新年あけましておめでとうございます!

 

新年明けましておめでとうございます。

 

旧年中の皆さまのご支援に心からお礼申し上げますとともに、本年も、

皆さまにとりまして、実り多き年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

昨年は、海外に多く行く年でした。1月のフランスにはじまり、秋には、シリコンバレー

などのハイテク企業やスタンフォード大学などに伺い、最先端の研究などにも触れた

一年でした。一見すると、とてもかなわない!

 

といったスケールとスピードで進むイノベーションの世界にふれ、日本は一体どうしたら、

この競争に勝てるだろうかと頭を抱えてしまいそうになりました。しかし、一方で、

だからこそ、わたくしたち日本が大切にしてきたものは何か、ということを考えさせられる年でした。

 

 

 

一年のはじまりに、グローバル化が押し寄せる中、フランスらしさを大切にした教育を実践して

いる現場をみせていただいたことに、一年かけてもどってきたように思います。

 

☆ 禅の世界でも・・・・。

 

昨年、JR東海の労働組合の方々に3度にわたり、子育てを中心とした、ワークライフバランス

のセミナーをさせていただきました。ローレンシャンスクールのお母さま方にも、アドバイザー

として、参加して頂きました。

 

そのセミナーの中で、何度かお話させていただきましたのは、朝ごはんの大切さにつ

いてです。共働きの方も、そうでない方も、とにかく、朝ごはんだけ、しっかり子ど

もに食べさせて下さい。と申し上げました。そして、できれば、陶器のお茶碗やお皿

 

に食べ物をのせて、ガラスや陶器のカップで飲み物を飲んでください。ビニール袋に

入ったパンをお皿にも載せずに、袋からそのまま食べる、飲み物もパックに入ったも

のにストローにさして飲むなどは、例外としてはあっても、できればさけてほしいも

のです。

 

その話をさせて頂いた際に、若いお母さまから「どうして、プラスチックではだめで、

陶器のお皿じゃないといけないんですか」という質問や、お父さま方からは「データは

 

あるんですか?」という質問をうけました。データに関しては、スクールの小学校受験

の結果や、その後の伸びで数値としても示すことができますし、後述の研究機関でのデ

ータもでています。

 

☆ では、なぜ?

 

では、なぜ、プラスチックより、陶器のお皿のほうが良いのかというご質問に対しては、

そもそも食事と言うのは、どういうものか、というところに立ち返り考えたいと思います。

食事は、栄養をとるためのものである、と同時に、日本では、儀式として捉え、考えられ

 

て来ました。お正月にみなさまが食されたお節料理がよい例でしょう。お節料理は、

歳神様をもてなすご馳走で、わたくしたちは、そのお下がりをいただく、もしくは、一緒

に頂くもので、その為、お正月に使う祝い箸は、両端が細くなっていて、

一方が神さま、もう一方をわたくしたちが使うという意味があります。

 

 

また、禅の世界でも、食べることは大切な修業のひとつです。鎌倉時代の高僧、道元禅師の

著書『典座教訓』に、以下のような一節があります。「昼食や朝のおかゆの支度を作法通り

に整え終えたら、それを庫院(くいん:台所)の前の飯台の上にきちんと置いて、典座は、

 

袈裟を身に付け、坐具を敷きのべて、まず、庫院から僧堂のたてものに向かって、香を焚い

て九回拝礼し、それが終わったら、食事を僧堂に運ばせるのである」とあります。食事の

準備ができたら、1、袈裟をつけ、2、坐具をのべ、3、香を焚き、4、九拝してから運ぶ、

 

というのですから、食事をどれほど大切に考えているか、容易に想像できるところだと思い

ます。禅の修行では、修業に上も下もありません。経典を読んだり坐禅をする修業はありが

たく感じても、食事は、その合間に、手早くすませて、などということではありません。※1

 

☆ 勉強は、一生懸命させるけれど?

 

勉強は、一生懸命させるけれど、食事はさっさとすませる、これは、古来日本が大切にしてき

た精神と、随分かけはなれたスタイルです。日本だけではありません。イギリスの研究機関が

食事と所得と教育の関係を調べたデータでも実証されていますし、アメリカでは、学校が朝ご

 

はんプロジェクトなどを学校が行い、朝ごはんの大切さ、食事の大切さについての運動を行っています。

 

 

ローレンシャンスクールは、来年、40年目の節目を迎えますが、4000組以上のご家族の

方々とご縁をいただき、つくづく痛感するのは、子育てにおける食の大切さです。

小学校受験に留まらず、その後、中学、高校、大学、社会人にいたるまでの長いお付き合い

 

をさせていただいておりますと、中には、どこかで少しばかり回り道をしたようにみえた子

もいます。けれども、ご家族の方が、食事を大切にしてこられたご家庭の子は、どこかで必ず

本来のその子の道にもどり、輝きを取り戻しています。

 

今年は、儀式としての食事という側面でも、いま一度食事について、考えてみてはいかがでしょうか。

 

グローバル化や科学が進歩の一途をたどるなかで、最先端のものをとりいれつつ、これまで自分た

ちの祖先が大切にしてきたものについても、想いを馳せることができたら、とてもすばらしいと思

いませんか。

 

☆ さて、日本では。

 

日本では、6年後にはオリンピック、3年後にはセンター試験廃止、など、大きな変化や節目を迎えて

いく中で、保護者の方々におかれましては、少しそわそわした想いでいらっしゃる方も多いのでは

ないでしょうか。

 

そのような中で、食事の時間を大切に一年を過ごす、というのは、悠長すぎる、または、かえって大変

に感じられるかもしれません。しかし、これは、さまざまな年代の子どもたちと永きにわたり密なお付

き合いをさせていただくという貴重な経験から得たわたくしどもの見地であり、なにより、さまざまな

時代を生き抜いてきた、わたくしたち日本にルーツを持つ先人たちが大切にしてきた、共有すべき財産

であり、宝物です。

 

わたくしどもも、今年、今一度、食事にまつわるさまざまな事柄に心を配り、日本に魅力を感じ、日本

の繁栄の秘密を知りたいと思っている世界中の多くの方々に、日本にいる子どもたちは、最先端のテク

ノロジーと同時に、古き良き文化や伝統、精神性を大切にしています!と発信していくことで、日本の

 

子ども達の競争力を高めるような活動を展開して参りたく存じます。今後の詳しい活動は、今後のスク

ールHPなどで逐次発表して参りたく存じます。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。

 

 

ローレンシャンスクールが、今年新たに本格始動するプログラム

 

☆WTJプロジェクト:対象の保護者の方々と共に新しい教育について考え実践する

☆国際バカロレア:2018年センター試験廃止以降に本格的に取り入れられるグローバルカリキュラム

☆夏のインターナショナルキッズキャンプ:世界各国の子どたちが参加するサマーキャンプ

 

わたくしも、年初から、中部の財界のご重鎮、長老の方々にむけて、

          『海外の初等教育と日本の現状、今後の課題』

という演題で、講演をさせていただきます。今年は中部地区の枠を超えて、真に競争力のある子ども

達の育成を目指し、飛躍の年にして参りたく存じます。

 

本年も、皆さまのご支援とご理解、ご協力を賜わりたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

ローレンシャンインターナショナルスクール

校長 中村 和世

雪の名古屋より


新年あけましておめでとうございます!

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